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放置車両は撤去しても大丈夫? 法的根拠とリスクについて解説

  • 廃車買取コラム

放置車両とは、所有者によって適切に管理されていない、または無断で道路や駐車場などに長期間放置されている車両のことを指します。

これには、故障や事故車両、廃車予定の車両、または所有者が放置した車両などが含まれます。

放置車両は見た目の悪さだけでなく、周囲の安全や交通の妨げになることがあり、特に交通事故や災害時には障害物となることもあります。

今回の記事では、放置車両について詳しく解説していきます。

放置車両でお困りの方はぜひ、最後までご覧ください。

 

放置車両の問題とは

放置車両撤去

放置車両には、大きく分けて三つの問題があります。以下の通りです。

・交通の障害:道路に放置された車両は、通行の妨げになり、渋滞の原因となります。

・安全面の懸念:放置車両は、燃料やオイル漏れが発生することがあり、火災や環境汚染の危険もあります。

・地域の景観の悪化:放置車両は地域の景観を損ない、住民の生活環境に悪影響を与えます。

 

そのため、各自治体や道路管理者は、放置車両に対して撤去措置を取ることがあります。

放置車両が見つかった場合、法律に基づいて所有者に通知が行われ、その後一定期間内に撤去されることになります。

 

法律に基づく放置車両撤去

法律に基づく放置車両撤去

放置車両の撤去は、道路交通法や地方自治体の条例に基づいて行われます。

放置車両が放置されている場所によって、適用される法令や撤去の手続きが異なる場合がありますが、基本的な流れと法的根拠について以下のようにまとめられます。

道路交通法による撤去

道路交通法には、放置車両を撤去するための規定が含まれています。

具体的には、道路交通法第75条(放置車両等の撤去)に、以下のような記載があります。

 

警察署長は、道路に放置された車両等が次に掲げる場合には、その車両等を撤去することができる。

  1. 道路に放置され、交通の妨げとなっている車両等
  2. 事故車両等であり、そのままでは車両等の運転ができない状態にある車両等
  3. 車両等が違法に駐車されている場合

前項の規定により撤去された車両等は、警察署長が指定した場所に運ばれる。

交通の妨げとなる車両等を撤去する際、所有者に通知を行い、その後の手続き(例えば、所有者による引き取りや費用支払い)について指示を行う。

この条文は、公共の道路に放置された車両に関するもので、適切に駐車されていない車両が長期間にわたり放置されている場合、警察がその車両を撤去できるという規定です。

警察が放置車両を撤去するためには、まず警告が行われ、一定期間が経過しても所有者が現れない場合や撤去を行う正当な理由がある場合に撤去作業が実施されます。

撤去基準としては、以下の通りです。

  • 車両が道路を塞いでいる場合(事故車両や故障車両など)
  • 車両が他の車両や歩行者の通行を妨げている場合
  • 車両が放置された場所が危険区域である場合

 

警察が車両を撤去する際には、撤去後に所有者に通知を行い、指定された期間内に所有者が車両を取り戻すことができるようになっています。

 

地方自治体の条例による撤去

地方自治体にも、放置車両を撤去するための条例や規定があります。

各自治体は、道路や公共の場所に放置された車両に対して独自の措置を講じており、その内容は自治体ごとに異なります。

例えば、自治体が独自に放置車両を発見し、警告後に撤去する場合があります。

  • 自治体の対応
    放置車両が撤去される際、自治体は所有者に対して通知を行い、放置車両が撤去されたことを知らせます。通知後、一定期間内に所有者が車両を引き取らなかった場合、車両は廃棄されることがあります。
  • 撤去費用の負担
    放置車両を撤去した際の費用(撤去作業費用や保管費用)は、基本的に車両の所有者が負担します。所有者が撤去された車両を引き取る際に、これらの費用を支払う必要があります。

 

放置車両の勝手な撤去には法的リスクがある

特に商業施設やコインパーキングなどを含む私有地内において放置車両を発見した場合においても、これを勝手に撤去すると法的リスクを抱えることになります。

放置車両の所有者から、「自力救済禁止の原則」に基づき訴訟を起こされてしまい、損害賠償請求をされたり、現状回帰する責任を負わされる可能性があります。

そのため、仮に私有地で放置車両を発見したとしても、撤去を強行することはやめましょう。

放置車両の撤去には、正しい手順が必須です。

放置された側としての損害と権利を正当に主張・証明できる証拠(防犯カメラの設置や写真、動画データなど)をそろえた上で、いつでも裁判を起こすことができる状態にした上で、放置車両所有者との交渉に臨みましょう。

 

私有地における放置車両撤去の法的根拠

私有地に放置車両がある場合、道路交通法や放置車両に関する法律とは異なり、民法土地所有権に基づいて対応が必要です。

 

民法に基づく対応

民法第233条(不法行為)に基づき、私有地に無断で車両を置かれた場合、土地の所有者は「不法占拠」として車両の所有者に対して撤去を要求することができます。

また、車両の所有者に損害賠償を請求することも可能です。

私有地における撤去の方法

  • 合意による撤去
    車両の所有者が同意する場合、車両の撤去はスムーズに行われます。
  • 無断撤去の手続き
    車両の所有者が撤去に応じない場合、民事訴訟や行政機関を通じて手続きを進めることができます。具体的には、地方自治体に放置車両撤去の申請を行うか、法的手続きで撤去を求めることになります。これは時間がかかる場合があり、通常は法的な通知や警告が行われます。

自力救済の原則とその制限

民法第709条に基づく自力救済の原則(自分の権利を自分で守ること)が認められている場合でも、放置車両の撤去を無断で行うことは原則として許されていません。私有地でも他人の財産を自分の判断で撤去することは法的に問題があります。

そのため、車両を無断で撤去する前に法的手続きを取ることが求められます。

もし車両を無断で撤去して損害を与えた場合、不法行為とみなされることがあります。

 

私有地における放置車両撤去の費用

私有地に放置された車両を撤去する際には、撤去作業や保管費用が発生します。

これらの費用は基本的に車両の所有者が負担することになりますが、所有者が特定できない場合や撤去を拒否した場合には、撤去費用を土地の所有者が負担することがあります。

また、撤去された車両が長期間保管される場合、その保管費用もかかることがあり、所有者が引き取らなければ廃棄されることになります。

 

放置車両における自治体の対応

一部の自治体では、放置車両撤去に関する条例が整備されており、私有地に放置された車両についても、一定の条件の下で撤去をサポートすることがあります。

例えば、車両が長期間放置されている場合や、所有者が不明な場合などです。この場合、自治体は車両の所有者を探し、適切な対応を行うことになります。

 

放置車両撤去の流れ

放置車両の撤去は、通常以下のような流れで行われます。

  1. 放置車両の発見
    • 土地の所有者、近隣住民や警察、自治体の職員などが放置車両を発見。
  2. 警告と通知
    • 所有者不明の場合でも、放置車両には基本的に警告が行われます。通知は車両に貼られることが多く、期限内に撤去しない場合には法的な措置が取られます。
  3. 撤去の実施
    • 所有者が放置車両に対して反応しない場合、警察や自治体、民間業者などにより車両を撤去します。撤去後、保管場所に運ばれます。
  4. 通知の送付
    • 撤去された車両の所有者には、撤去された旨の通知が送られます。通知には、車両を引き取るための手続きや費用、引き取らなかった場合の処分方法などが記載されています。
  5. 一定期間内の引き取り
    • 通常、撤去された車両は一定期間(例えば1週間から数週間)保管されます。この期間内に車両の所有者が現れなければ、その車両は廃棄されることがあります。

 

放置車両の所有者不明の場合

放置車両の所有者が不明で、所有者が確認できない場合、撤去手続きが少し複雑になります。

警察や自治体、民間業者が車両の所有者を特定するために調査を行い、車両の登録情報を確認する場合があります。

それでも所有者が見つからなければ、一定期間後に車両が廃棄されるか、スクラップとして処分されます。

 

放置車両撤去に関する罰則

放置車両の所有者が撤去に応じない場合、一定の罰則が課せられることがあります。

放置車両が道路を占有している場合や、交通の妨げとなっている場合、法律によって罰金や損害賠償が求められることがあります。

 

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